アイカサJournal

置き傘の再定義「1本持つ」から「使える状態を常備する」へ

置き傘の再定義「1本持つ」から「使える状態を常備する」へ

傘立ては持ち主不明のビニール傘であふれているのに、いざ急な雨のとき「今すぐ自分が使える傘」は一本もない——このねじれ、心当たりはありませんか。この記事では、この矛盾が起きる理由と、置き傘を「使える状態を常備する」という考え方に置き換える方法を整理します。

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傘立ては持ち主不明ビニール傘であふれているのに、いざ急な雨のとき「今すぐ自分が使える傘」は一本もない——このねじれ、心当たりはありませんか。この記事では、この矛盾が起きる理由と、置き傘を「使える状態常備する」という考え方に置き換える方法整理ます。

置き傘が続かない原因は「所有発想」にある

置き傘が続かない原因は「所有の発想」にある

置き傘を「各自が1本ずつ傘を持ち、それを会社に置いておくこと」ととらえている限り、次の3つの欠陥がついてまわります。

1つめは、持ち帰って忘れること。置き傘を使えばその傘は自宅へ行き、翌朝晴れていれば持ってこない。傘立ては1本減ったままです。

2つめは、返す先がないこと。個人の置き傘は「その人のもの」なので隣の同僚は使えません。傘立ては共用なのに中身私物の寄せ集めで、全体では余っているのに「今、私が使える傘」はゼロになります。

3つめは、買い足しがたまること。自宅に使える傘があるのにコンビニなどでビニール傘を買った経験がある人は66.8%にのぼります。傘は「持っているか」ではなく「その瞬間手元にあるか」で買われるため、買い足しは意志では止まりません。

この3つは心がけの問題ではなく、「1本を所有する」という設計から必然的に出る副作用です。ここを変えずに本数だけ足すと、たまる傘が増えるだけになります。傘立てが埋まる仕組みそのものは「オフィスの置き傘問題|傘立てが埋まる「本当コスト」とは」でも詳しく解説しています。

常備すべきは本数ではなく「使える状態」

常備すべきは本数ではなく「使える状態」

常備する対象を「傘というモノ」から「使える状態という機能」に置き換えると、守るべきものは在庫本数ではなく、次の3条件になります。

いつでも(切れない)——誰かが持ち帰っても、次の人が使える状態が保たれていること。所有型は「1本持ち帰ると1本減る」ので必ず切れます。

誰でも(公平)——特定の人の私物ではなく、雨の日に外へ出る全員が同じように使えること。共用の傘を常備した実証では、社員の52.2%が実際利用したという結果もあります。半数以上が使う施策になって初めて、置き傘の再定義成立ます。

返しやすい(戻ってくる)——最もつまずきやすいのがここです。社内でしか返せない」設計だと、外出先で雨がやんだ社員は傘を持ち歩き続け、結局自宅に持ち帰ります。外回り・直行直帰の多い会社ほど、この「返しやすさ」実際稼働率左右ます。

買い置き・レンタルシェア、何で選び分けるか

買い置き・レンタル・シェア、何で選び分けるか

手段は大きく3つあり、上の3条件に照らすと得意不得意がはっきり分かれます。買い置きは初期費用がかかるうえ、補充整頓・持ち主不明傘処分まで総務手間が大きくなりがちです。社内貸出レンタル初期費用こそ小さいものの、返却社内完結する前提ため、外出の多い社員には向きません。街の返却網とつながるシェアリングは、返却先が広いほど「切れない・公平・戻ってくる」の3条件をまとめて満たしやすくなります。

選び分けの分かれ目は2つです。社員終業時オフィスへ戻ってくるか。直帰出張複数拠点移動が多いなら、社内でしか返せない方式は必ず持ち帰りに負けます。運用担当明確に置けるか。貸出記録補充処分対応担当できる人と時間確保できるなら自社運用でも回りますが、確保できないなら管理ごと外に出す方式が向いています。より詳しい比較は「レンタル法人導入費用対効果はあるか?社員1人あたり年8,400円の傘代で考える」にまとめています。

費用は「見えている分」だけで比べない

比較でつまずくのは、買い置きの費用が「傘の購入費」しか見えていないためです。実際負担は、購入費に加えて、急な雨でのコンビニ購入経費精算、貼り紙・保管処分にかかる総務作業時間まで含めて考える必要があります。多くの会社では、この作業時間のほうが購入費より大きくなります。見積もりを取るときは、補充交換は誰が行うか、破損紛失時負担はどうなるか、返却できる場所社外にもあるか、アプリ登録必要か、利用実績レポートが出るか——この5点を確認ると、方式を問わず比較しやすくなります。

晴雨兼用にすると、暑さ対策の側にも効く

守る対象が「使える状態」になると、対象天候も広がります。晴雨兼用なら同じ一本が夏の日傘としても使えるからです。環境省実験では、日射を99%以上カットする日傘を使うと汗の量が約17%減り、日向に比べてWBGT(暑さ指数)が1〜3℃ほど下がりました。クールビズ単独では約11%の低減にとどまるところ、日傘併用すると合計約20%程度まで下げられるとも示されています。

もう一つ、総務見落としがちな点があります。2025年6月施行改正省令(安衛則第612条の2)について、厚生労働省通達対象となる「暑熱場所」を「必ずしも事業場内外特定作業場のみを指すものではなく、出張先作業を行う場合、労働者移動して複数場所作業を行う場合や、作業場所から作業場所への移動時等も含む趣旨」明記しています(基発0520第6号・令和7年5月20日)。企業がやるべきことは、通達上報告体制整備、重篤化を防ぐ措置手順作成、それらの周知の3つに整理できます。傘の常備はこの3つの義務に置き換わるものではなく、移動時の備えとして足せる打ち手という位置づけです。制度全体は「熱中症対策義務化とは?企業がやるべきこと総まとめ」で解説しています。

オフィスの傘の悩みを、仕組みで解決する「アイカサOffice」

「使える状態常備する」実際サービスにしたのが「アイカサOffice」です。「アイカサ」は、"雨の日も晴れの日も快適にハッピーに"、"使い捨て傘をゼロに"をミッションに2018年12月にサービスを開始した、日本初の本格的な傘のシェアリングサービスです。アプリ会員数は約100万人(2026年7月時点)、12都道府県全国1,000駅以上合計約2,500か所にスポット設置しています。

法人向けの「アイカサOffice」は、この仕組みをオフィスに持ち込むサービスです。オフィスで借りた傘は帰りに最寄り駅で返せて、駅で借りてオフィスで返すこともできます。専用傘立てはアプリ登録なしで使え、晴雨兼用の傘なら夏の暑さ対策にもなります。傘の補充メンテナンス・問い合わせ対応アイカサ側が担当し、利用実績レポート確認できます。専用の傘は壊れても修理して使い続ける前提設計されています。

料金企業規模に応じた月額制です。

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※『アイカサ』を1回レンタルすることにより、CO2約692g削減貢献ます。(参照:環境省3R原単位算出方法より https://www.env.go.jp/press/files/jp/19747.pdf)

よくある質問

Q1. 会社に傘を常備するのに費用はどれくらいかかりますか?

A. 買い置きは購入費に加えて補充整頓処分手間毎年かかります。レンタルシェアリング企業規模に応じた月額制一般的です。まずは自社現状費用(購入費+買い足し+作業時間目安)を出し、月額制年額と並べてみることをおすすめします。

Q2. どれくらいの期間導入できますか?

A. 買い置きはすぐ始められますが、運用ルール担当者を決めないと数か月で元に戻りがちです。外部シェアリングは、既存スポットを使うだけなら数週間、オフィス内に専用傘立てを置く場合でも1か月弱が目安です。

Q3. 今ある傘立てはどうなりますか?

A. そのまま残して構いません。変えるのは中身性質です。持ち主不明の傘を告知保管のうえ整理し、共用で借りて返せる傘に置き換えます。私物の置き傘を禁止する必要もありません。

Q4. 晴雨兼用の傘を常備れば、熱中症対策になりますか?

A. 日傘は熱ストレスを下げる補助的対策です。改正省令が求めるのは報告体制整備措置手順作成周知あり、傘はそれに置き換わるものではありません。義務への対応別途行い、移動時負担軽減として傘を足す、という整理実態に合います。

Q5. 社員利用率はどのくらい見込めますか?

A. 業種オフィス形態、雨天頻度によって幅がありますが、共用の傘を常備した実証では社員の52.2%が実際利用したという結果があります。導入前社員通勤ルート外出頻度確認しておくと見込みが立てやすくなります。

Q6. 私物の置き傘と併用できますか?

A. 併用できます。既存の置き傘を全廃する必要なく、まず新規補充だけを共用仕組みに置き換え、私物自然に入れ替わっていく形で進める会社が多いです。

出典参考: 厚生労働省労働基準局長通達労働安全衛生規則一部改正する省令施行等について」(基発0520第6号・令和7年5月20日)/環境省報道発表日傘活用推進について〜夏の熱ストレスに気をつけて!〜」(2019年5月21日)

本記事は2026年7月時点公開情報をもとに、一般的情報提供目的として作成したものです。法令解釈適用税務上取扱いは個別事情により異なる場合があります。実際対応にあたっては、所轄労働基準監督署、社会保険労務士、税理士等専門家にご確認ください。

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アイカサ編集部
監修:アイカサ編集部(傘シェアリングサービスの運営チーム)

オフィスの傘、仕組みで解決する。

置き傘の管理も、急な雨の来客対応も。従業員が使える傘を、備品を増やさずに用意できます。導入の流れと費用の考え方は、アイカサOffice のページにまとめています。