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傘の正しい捨て方|何ゴミかは自治体で違う。主要都市の分別早見表と「捨てない」選択肢
壊れた傘を前に「これ、何ゴミ?」と検索しているあなたへ。最初に結論をお伝えします。
傘の分別は、自治体によって違います。不燃ごみの自治体もあれば、粗大ごみ扱いの自治体も、「小さな金属類」という独自区分の自治体もあります。「傘は不燃ごみ」と断定しているサイトの情報をそのまま信じると、収集されずに残される可能性があります。
この記事では、30秒で自分の自治体のルールを確認する方法、判断の軸、主要都市の分別早見表、種類別の注意点、そして「そもそも捨てない」という選択肢まで、傘の手放し方を一通り整理します。

1. 結論: 分別は自治体で違う──30秒で確認する方法
自分の自治体のルールを確認する最短ルートは次の3つです。
1. 「(市区町村名) 傘 ごみ」で検索し、自治体公式サイト(ドメインが city.〜.lg.jp / city.〜.jp 等)の分別一覧・分別辞典を開く。公式以外のまとめサイトは古い情報が残っていることがあるため、必ず公式を見る
2. 自治体のごみ分別アプリ(多くの自治体が提供)で「かさ」を検索する
3. 見つからなければ清掃事務所・環境事業所に電話する。「傘は何ゴミですか」の一言で済む
確認すべきポイントは2つだけです。
- 区分: 不燃(燃えないごみ)か、粗大ごみか、独自区分か
- 出し方の条件: 指定袋に入れるのか、袋から柄が出てもよいのか、束ねる本数の上限はあるか

2. 不燃か粗大かの判断軸──「長さ」と「素材」
自治体ごとの違いには、一応の法則があります。
判断軸①: 長さ(粗大ごみの基準寸法)
多くの自治体は「一辺の長さが30cm(または50cm等)を超えるものは粗大ごみ」という寸法基準を持っています。長傘は70〜90cm程度あるので、この基準を機械的に当てはめると粗大ごみです。
ところが、傘を寸法基準の例外として扱う自治体が多数あります。「棒状のものは○cmまで普通ごみ」という棒状ルールを持つ自治体や、品目として「傘は不燃ごみ」と明記する自治体です。ここが「傘の分別は検索してみないと分からない」最大の理由です。
判断軸②: 素材(複合素材であること)
傘は、金属(骨・シャフト)+プラスチックや繊維(生地・持ち手)の複合素材の製品です。素材が一体化して分離しにくいため、多くの自治体で「資源」ではなく「不燃・粗大」側に区分されます。ビニール傘の生地はプラスチックですが、容器包装プラスチックの回収には出せません(あの回収は容器・包装が対象で、製品プラスチックは対象外の自治体が大半です)。
この「複合素材で分けにくい」という性質は、後述するリサイクルのしにくさにも直結します。
3. 主要都市の分別早見表
主要都市の区分をまとめました。全行を各自治体の公式ページ・公式資料で確認しています(確認日: 2026年8月18日)。
自治体 | 区分(公式表記) | 分解 | サイズ・条件 | 公式ページ |
|---|---|---|---|---|
東京23区(例: 新宿区) | 金属・陶器・ガラスごみ | 不要 | ふた付き容器か中身の見える袋で。区ごとに名称・条件が異なるためお住まいの区の分別表で確認 | |
東京23区(例: 世田谷区) | 不燃ごみ | 不要 | 傘は不燃ごみの例示品目 | |
東京23区(例: 大田区) | 不燃ごみ | 不要 | ふた付き容器か中身の見える袋で | |
横浜市 | 骨組=小さな金属類、布部分=燃やすごみ | 必要 | 骨と布を分けて出す。骨は30cm以上でも小さな金属類 | |
川崎市 | 小物金属 | 不要 | 傘は30cm超でもOK。袋に入れずそのまま資源物の集積所へ | |
さいたま市 | もえないごみ | 不要 | 90cm以上2m未満は直接持込みまたは戸別収集 | |
千葉市 | 不燃ごみ | 不要 | 指定袋(10Lまたは20L)。傘ははみ出し可・何本でも | |
名古屋市 | 不燃ごみ | 不要 | 袋から多少はみ出す場合は口をひもなどでしばる | |
大阪市 | 普通ごみ | 不要 | 棒状で1m以内が基準。袋に入りきらなければ片側を袋に差し込むか「不用品」と表示 | |
京都市 | 燃やすごみ(1袋2本まで) | 不要 | 2本を超える分は大型ごみ(1回の排出で20本まで) | |
神戸市 | 燃えないごみ | 不要 | 45L指定袋に斜めに差し込み、口をしっかり結ぶ | |
札幌市 | 燃やせないごみ(有料指定袋) | 不要 | 袋から一部飛び出しても、大部分が入り口を縛れればOK | |
仙台市 | 家庭ごみ(可燃系) | 不要 | 指定袋。袋からはみ出しても可 | |
広島市 | 不燃ごみ | 不要 | ひもでしばってまとめるか、透明・半透明の丈夫なポリ袋で | |
福岡市 | 燃えないごみ | 不要 | およそ1m以内・直径5cm以内。はみ出し可。日没から夜12時までに出す夜間収集 |
※2026年8月時点。分別ルールは改定されることがあるため、出す前に必ずお住まいの自治体の公式ページで最終確認してください。
見てのとおり、同じ「傘」でも区分の名称も条件もバラバラです。多数派は不燃系ですが、京都市と仙台市は「燃やす側」という少数派です。さらに横浜市は骨と布の分解が必須、川崎市は袋に入れずそのまま出す方式と、出し方まで正反対の自治体があります。東京23区内ですら区によって呼び方が違います。引越しをした直後の方は特に、前の自治体のルールを引きずらないよう注意してください。
4. 種類別の注意点
ビニール傘
- 生地がプラスチックでも、プラスチック資源・容器包装プラには出せないのが原則(製品プラスチックのため。自治体の製品プラ回収が始まっている地域は個別に確認)
- 骨が折れて飛び出している場合は、袋を突き破らないよう先端を内側に折り込むかテープで留める
- 「安かったから」と気軽に捨てられがちですが、ビニール傘こそ金属+プラの複合素材で、リサイクルルートに乗りにくい製品です
折りたたみ傘
- たたむと30〜50cm以下に収まるため、寸法基準的には不燃ごみ圏内の自治体が多い
- 自動開閉式はバネが強いため、収集時に開かないようバンドやテープで留めて出すと安全
日傘
- 構造は雨傘と同じなので、基本的に雨傘と同じ区分
- 竹・木製の骨など金属を使わない日傘は区分が変わる場合がある(可燃扱いの自治体も)。素材を確認してから分別辞典を引く
長傘(ジャンプ傘含む)
- 長さがあるため、寸法基準をそのまま適用する自治体では粗大ごみになる。「傘は例外」の明記があるかどうかが確認ポイント
- ジャンプ傘は誤作動で開かないよう、留め具やテープで閉じて出す
5. 安全に出すための準備
分別以前に、収集する人がけがをしない出し方を心がけましょう。
- 指示がなければ分解は不要です。「金属と生地を分けて」と案内する自治体は一部で、多くの自治体はそのまま出せます。ただし例外はあり、たとえば横浜市は「傘は金属製の骨組と布部分を分けて」と公式に明記しています(骨は小さな金属類へ、布部分は燃やすごみへ。骨は30cm以上でも小さな金属類)。まず自治体の案内に分解の指示があるかを確認し、求められていないのに無理に分解しないでください。傘の分解は骨のバネで手を切りやすい作業です
- 折れた骨の先端はテープで保護するか、内側に折り込む
- 開かないように留め具で閉じ、留め具が壊れていればテープやひもで縛る
- 複数本出すときは、ひもで束ねる(本数上限や束ね方の指定がある自治体もあるため一覧で確認)
- 収集日の朝、指定の時間までに出す(前夜出しは禁止の自治体が多い)
6. まとめて処分する場合──引越しと、会社の傘
引越しなどで大量に出すとき
- 数本程度なら通常の収集で問題ない場合が多いものの、一度に出せる本数に上限のある自治体があります
- 引越し前は収集日が限られるため、間に合わない場合は自治体の持ち込み施設(クリーンセンター等)への自己搬入が確実です。事前予約制の場合があるので電話で確認を
- 民間の不用品回収業者を使う場合は、一般廃棄物収集運搬の許可を持つ業者かを確認してください。無許可業者への引き渡しは不法投棄につながるリスクがあります
会社から出る傘は「事業系廃棄物」──家庭ごみには出せません
総務担当の方に重要な注意点です。オフィスの傘立てに溜まった放置傘・忘れ傘は、家庭ごみの集積所に出せません。
- 事業活動に伴って出るごみは、量の多少にかかわらず事業系廃棄物として扱われ、家庭ごみの収集対象外です(廃棄物処理法)
- 処分するには、①自治体の事業系ごみルート(許可業者への委託や事業系指定袋等、自治体により制度が異なる)、②ビルのテナントであればビル管理会社の廃棄物ルールに従う、のいずれかになります
- 「数本だから」と従業員が家庭ごみに紛れ込ませるのもNGです。社内の放置傘は、回収日を決めて告知→一定期間後にまとめて事業系ルートで処分、という手順にすると管理が明確になります
なお、そもそも「持ち主不明の傘が溜まる」構造を作らないことが根本対策です。これは最終章で触れます。
よくある質問
Q. 駅やコンビニのゴミ箱に置いてきてもいい?
A. いけません。公共のゴミ箱や店舗のゴミ箱に家庭の傘を捨てるのは不法投棄にあたるおそれがあります。壊れた傘を駅の傘立てに「置いていく」のも同様で、施設側が処分費を負担することになります。必ず自治体のルートで出してください。
Q. 骨だけ・生地だけになった傘はどう出す?
A. 骨組みだけになった傘は金属主体なので、不燃系(または金属系)の区分になるのが一般的です。剥がした生地はプラスチック・繊維なので可燃ごみとする自治体が多いですが、これも分別辞典で「かさ」または「傘の布」を確認するのが確実です。
Q. 粗大ごみ扱いの自治体では、手数料はいくらかかる?
A. 自治体ごとに手数料と申込方法(電話・ネット受付、処理券の購入)が異なります。傘のような細長い品目は比較的低額の区分になることが多いものの、金額は必ず自治体の粗大ごみ受付ページで確認してください。複数本を1件として出せるかどうかも自治体によります。
Q. 傘立てごと・ビニール傘10本まとめてなど、大量にある場合は?
A. 本文6章のとおり、収集の本数上限を確認したうえで、上限を超えるなら自己搬入か許可業者への依頼が確実です。会社のものなら家庭ごみには出せません(事業系廃棄物)。
Q. 折れた骨の先が袋から突き出てしまう。どうすれば?
A. 突き出る部分をタオルや厚紙で包んでテープで固定してください。収集作業員のけが防止は、分別と同じくらい大切なマナーです。
7. 捨てる前に──「捨てない」という選択肢
最後に、捨てる以外の手放し方・減らし方です。傘は金属とプラスチック・繊維の複合素材でできており、素材ごとに分離しにくいため、リサイクルに回りにくい製品です。だからこそ、廃棄の一歩手前に選択肢があります。
修理する
- 骨折れは「つゆ先」「関節パーツ」などの修理部品が手芸店・100円ショップ・ネットで手に入り、自分で直せるケースが多い
- 気に入った傘なら、傘専門店やデパートの修理サービス、地域の「修理カフェ」的な取り組みに持ち込む手も
- 購入店やメーカーの修理保証が付いている傘は、まず保証を確認
リユース・寄付・アップサイクル
- まだ使える傘は、フリマアプリ・リサイクルショップ、地域のリユース掲示板へ
- 廃傘の生地をバッグなどに作り替えるアップサイクルの取り組みも広がっています。回収窓口を設けているブランドや団体もありますが、受付の有無や条件は時期によって変わります。「傘 生地 回収」「傘 アップサイクル」で検索し、受付中かどうかを各窓口で確かめてから送ってください
- ビニール傘の生地は防水性が高く、手芸材料としても再利用しやすい素材です
そもそも「使い捨てない」──シェアという選択肢
突然の雨のたびにビニール傘を買い、気づけば家や職場の傘立てが増えた傘であふれる──捨て方を検索する状況の多くは、ここから始まっています。
傘のシェアリングサービス「アイカサ」は、この「仕方なく買って、結局捨てる」を減らす仕組みです。駅やコンビニなど全国1,000駅以上・合計約2,500か所(2026年7月時点)で傘を借りられ、別のスポットに返せるため、急な雨でも傘を買わずに済みます。
オフィス向けには、約48cm四方・工事不要の傘立てを設置して従業員が無料で傘を使えるプランもあり、6章で触れた「オフィスに放置傘が溜まる」構造そのものをなくす手段になります。借りた傘は帰り道の駅で返せるので、傘立てに持ち主不明の傘が増えていきません。
壊れた傘を正しく分別して手放したら、次の急な雨は「買わずに借りる」を試してみてください。捨て方に悩む傘を、これ以上増やさないために。
※本記事の分別情報は2026年8月時点の各自治体公式サイトの要旨です。ルールは改定されることがあるため、実際に出す際は必ずお住まいの自治体の最新情報をご確認ください。
傘、もう買わずに借りる
アイカサは全国約2,500か所(2026年7月時点)で借りて返せる傘のシェアリングサービスです。アプリから近くのスポットを探せます。オフィス・施設への設置のご相談も受付中。
