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梅雨のオフィスで起きること|床の水濡れ・転倒・来客動線。総務ができる雨の日対策
梅雨のオフィスの問題は、ある日突然起きるわけではありません。エントランスの床がいつの間にか濡れている。傘立てから傘があふれている。来客を案内する通路に、雨粒の跡が点々と続いている——。一つひとつは小さなことに見えますが、放っておくと転倒事故や来客の印象低下につながります。
そして、これらに最初に気づき、対応を求められるのは総務・オフィス管理の担当者です。
本記事では、梅雨にオフィスで起きる問題を法人視点で整理し、エントランスまわりの具体策、来客対応、従業員の傘の備えまでを1本にまとめました。最後に、梅雨入り前に確認しておきたいチェックリストも用意しています。

梅雨にオフィスで起きる5つの問題
まず全体像から確認します。梅雨のオフィスで起きる問題は、大きく5つに整理できます。

問題 | 主な発生場所 | 放置した場合のリスク |
|---|---|---|
床の水濡れ | エントランス、エレベーターホール | 転倒事故、床材の劣化 |
傘の放置・紛失 | 傘立て、デスクまわり | 容量超過、取り違え・盗難のトラブル |
来客動線の乱れ | 受付、応接への通路 | 第一印象の低下、案内のもたつき |
湿気・ニオイ | 執務室、更衣室、傘置き場 | カビ、不快感、集中力の低下 |
従業員の不快 | 通勤時、外出時 | 生産性の低下、外出のためらい |
1. 床の水濡れ
雨の日は、傘・靴・レインコートから持ち込まれる水で、エントランスの床が濡れます。特に出社が集中する朝の時間帯は、マットの吸水が追いつきません。
見落とされがちなのは「入口だけでなく、その先まで濡れる」ことです。傘から垂れる水は、エレベーターホールや廊下、執務室の入口まで点々と続きます。マットを1枚置いただけでは、この「その先」に対応できません。
2. 傘の放置・紛失
雨が上がった帰り道、傘は高い確率で置き忘れられます。特にビニール傘は「誰のものか分からない」状態になりやすく、傘立てには持ち主不明の傘が少しずつ溜まっていきます。梅雨明けの傘立てが放置傘でいっぱい——というのは、多くのオフィスで見られる光景です。
一方で、急な雨の日には「傘がない」従業員が続出します。傘は「余っているのに、足りない」という不思議な備品です。
3. 来客動線の乱れ
雨の日の来客は、濡れた傘を手に受付へ立ちます。傘をどこに置くか、濡れたコートをどうするか。受け入れる側に準備がないと、その判断を来客自身にさせることになります。
4. 湿気・ニオイ
濡れた傘やレインコートを室内に持ち込むと、室内の湿度が上がります。空調だけでは追いつかず、カーペットや布張りの椅子に湿気がこもると、ニオイやカビの原因になります。傘置き場やロッカーまわりは特に湿気が滞留しやすい場所です。
5. 従業員の不快
濡れた靴のまま夕方まで過ごす。外出のたびに傘の心配をする。一つひとつは小さな不快でも、梅雨のおよそ1か月半、毎日続くと確実に効いてきます。雨を理由に外出予定を後ろ倒しにする、といった行動の変化も起こります。
ここまでが全体像です。このうち、最も優先度が高いのは事故に直結する「床の水濡れ」です。次章で詳しく見ます。
濡れた床は「転倒」につながる
職場の事故と聞くと、工場や建設現場を思い浮かべるかもしれません。しかし、職場の事故として最も多い型は「転倒」であり、業種を問わず起きています。
厚生労働省の統計によると、令和7年の労働災害による休業4日以上の死傷者数は135,333人で、前年から0.3%減少しました。一方、事故の型別で最も多い「転倒」は37,195人と全体の約27.5%を占め、こちらは前年から2.2%増えています。
労働災害の全体は減っているのに、転倒だけは増えている——これが最新の統計が示す状況です(出典: 厚生労働省「令和7年 労働災害発生状況」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_73382.html )。
つまり、職場でけがをする人のおよそ4人に1人は「転んで」います。オフィスも例外ではなく、雨の日の濡れた床は代表的な転倒リスクの一つです。
ただし、過度に心配する必要はありません。まず、雨の日の転倒が起きやすい状況を知っておきましょう。
- 遅刻しそうで小走りにエントランスを抜けるとき
- 荷物や傘で手がふさがり、足元が見えていないとき
- 磨かれた石材やタイルなど、濡れると滑りやすい床材の上を歩くとき
- マットの端がめくれている、あるいはマット自体がずれて動くとき
いずれも「雨の日のオフィスの日常」の中にあります。そして、このリスクには対策しやすい特徴があります。
- 発生場所が予測できる — エントランス、エレベーターホール、階段の下階部分
- 発生タイミングが予測できる — 雨の日の出勤・昼休み・退勤の時間帯
- 対策の効果が出やすい — マット・拭き取り・注意喚起の基本策で大きく減らせる
「予測できて、備えられる」問題だということです。梅雨入り前に仕組みを整えておけば、雨の日ごとに慌てる必要はなくなります。次章から具体策に入ります。
エントランスまわりの対策
吸水マットは「置く」ではなく「設計する」
マットの効果は、長さでほぼ決まります。
- 長さの目安: 歩行者が4〜6歩分歩ける長さ(約1.8〜2.7m)。2歩分の短いマットでは、靴裏の水を取り切れません
- 二段構え: 屋外側・風除室に泥落とし用マット、屋内側に吸水マットを分けて敷く
- 交換頻度: レンタルマットの場合、梅雨期間だけ交換サイクルを上げるか、予備を確保しておく
- マット自体の安全確認: めくれ・ズレはそれ自体が転倒の原因。裏面の滑り止めと端部の浮きを確認する
傘立て・傘袋の運用
- 容量の目安: 雨予報の日の出社人数 × 0.7〜0.8本。テレワーク併用のオフィスなら、雨天時の実際の出社率で見積もる
- 傘袋: 手軽だが、使い捨てのためゴミが出る点と、外し忘れた袋が床に落ちる点に注意。長傘用と折りたたみ用の2種類を用意する
- 傘の水切り機: 傘を差し込んで水滴を落とす機器を置けば、袋なしの運用もできる。ゴミ削減の観点で切り替える企業も増えている
- 放置傘のルール: 「◯月◯日までにお持ち帰りのない傘は処分します」と掲示し、回収日を決めて実行する。ルールがないと傘立ては一方的に埋まっていく
拭き取り動線
- モップや吸水ワイパーは、エントランスのすぐ近くに常備する。倉庫まで取りに行く数分の間に、人は濡れた床を歩く
- マットの予備・モップ・注意喚起の看板をひとまとめにした「雨の日セット」を作っておくと、当日の判断が要らなくなる
- 「足元にご注意ください」の看板は、濡れている場所ではなく、その手前に置く
清掃頻度
- 雨の日は、出勤ピーク後(9時半前後)と昼休み後に、拭き上げを1回ずつ追加するのが目安
- ビル共用部は管理会社の清掃範囲。専有部との境界と、雨天時の清掃頻度を事前に確認しておく
- 清掃を委託している場合、契約に「雨天時の追加清掃」が含まれるかを確認する。含まれないなら、社内で誰がやるかを決めておく
「その先」の水濡れと、湿気・ニオイ
エントランスで水を取り切れなかった分は、廊下やエレベーターホールに持ち込まれます。傘の水滴が続きやすいルート(エントランスから執務室まで)を一度歩いて確認し、途中に小さめのマットを追加するだけでも効果があります。
また、濡れた傘やレインコートがまとまる場所は、湿気とニオイの発生源になります。
- 傘立てや傘置き場は、風通しのある場所か空調の風が届く場所に置く
- レインコートは執務室に持ち込まず、ロッカーや共用ハンガーで乾かせる場所を決める
- サーキュレーターを1台向けておくだけでも、乾きは大きく変わる
「濡れたものを、どこで乾かすか」を決めておくことが、湿気・ニオイ対策の基本です。
来客対応の視点
雨の日の来客対応は、細かな配慮の積み重ねが第一印象を左右します。エントランスの水濡れや傘立ての乱れは、来客が最初に目にする「そのオフィスの管理状態」でもあります。逆に言えば、雨の日こそ差がつく場面です。晴れた日には見えない準備が、雨の日には全部見えます。
雨の日の来客対応は、「お迎えのとき」と「お帰りのとき」に分けて考えると整理しやすくなります。
お迎えのとき
- 来客用の傘立てを受付近くに用意し、従業員用と分ける。従業員の傘で埋まった傘立てに、来客の傘を割り込ませない
- 濡れた傘は受付で預かるか、傘袋を渡す。さっと差し出せるタオルの用意があると、印象は大きく変わる
- 濡れたコートを掛けられるハンガーがあると、応接室での時間が快適になる
お帰りのとき
- 来訪時は止んでいて、帰り際に降り出すことがあります。貸し出せる傘を数本用意しておくと、「お持ちでなければどうぞ」の一言が出せます
- 使い捨てのビニール傘を渡す方法もありますが、返却の要らない傘のシェアリングサービスを活用すれば、来客は最寄り駅で返せるため、お互いに気を使わずに済みます
来客対応は「決めておけば誰でもできる」ことばかりです。受付担当者の気配り任せにせず、傘の預かり方と貸し傘の場所をフロー化しておきましょう。
従業員の「傘がない」をなくす備え
梅雨のもう一つの定番が、「傘がない」問題です。
- 朝は降っていなかったので、傘を持たずに出社した
- 会社に置き傘をしていたが、この前持ち帰ったままだった
- 外出先で急な雨。仕方なくコンビニでビニール傘を買った
1回数百円のビニール傘も、部署単位・シーズン単位で見れば無視できない出費になります。買った傘がオフィスに溜まり、傘立てを圧迫するという悪循環もあります。
会社として備える方法には、それぞれ運用上の課題があります。
方法 | 良い点 | 課題 |
|---|---|---|
各自の置き傘 | 会社の費用はゼロ | 傘立てを圧迫。持ち帰った日に限って雨が降る |
会社の貸出傘 | 従業員は手ぶらで通勤できる | 返却管理が回らず、傘が減っていく |
都度ビニール傘を購入 | 仕組みが要らない | 費用と廃棄がかさみ、社内に傘が溜まる |
また、その場しのぎで買ったビニール傘は、多くが数回の使用で使われなくなります。オフィスの傘立てや席のまわりに溜まったビニール傘は、最終的には廃棄されることがほとんどです。コストの問題であると同時に、廃棄物を増やさないという観点でも、買い足しを前提にした運用は見直す余地があります。
共通する課題は「返却」です。傘は返ってこないことを前提にすると買い足し続けることになり、返却を管理しようとすると台帳運用の手間が発生します。
この「傘の備え」を仕組みごと外部化する選択肢が、傘のシェアリングサービスです。たとえば「アイカサ」は、オフィスに専用の傘立てを設置し、従業員がアプリで傘を借りられるサービスです。
導入企業では従業員が無料で使い放題にでき、借りた傘はオフィスに戻すだけでなく、駅やコンビニなど全国1,000駅以上・合計約2,500か所(2026年7月時点)のスポットでも返せます。
ワンウェイで返せるため「借りたまま行方不明」が起きにくく、返却管理の手間がありません。来客への貸し出しにも使えます。
置き傘やビニール傘の買い足しを続ける代わりに、傘を「備品」から「サービス」に切り替える。梅雨前の備えとして検討する価値のある選択肢です。
梅雨前チェックリスト
最後に、ここまでの内容をチェックリストにまとめます。確認のタイミングは梅雨入り前、5月中が目安です。備品の発注やレンタルマットの契約変更にはリードタイムがあるため、梅雨入り後に動き始めると間に合わないものがあります。

エントランス
- [ ] 吸水マットの長さは十分か(歩行4〜6歩分が目安)
- [ ] マットの滑り止め・端部のめくれを確認したか
- [ ] 傘立ての容量は雨天時の出社人数に足りるか
- [ ] 傘袋または傘の水切り機を用意したか
- [ ] 「足元注意」の看板を用意したか
清掃・ビル管理
- [ ] 雨天時の清掃頻度を管理会社・清掃業者と確認したか
- [ ] モップ等の「雨の日セット」を入口近くに常備したか
- [ ] 放置傘の回収ルールを決めて掲示したか
来客対応
- [ ] 来客用の傘立てを従業員用と分けて用意したか
- [ ] 傘の預かり・タオルの運用を決めたか
- [ ] 帰り際に貸し出せる傘を用意したか
従業員の備え
- [ ] 置き傘・貸出傘の運用ルールを見直したか
- [ ] 傘のシェアリングなど、買い足し以外の選択肢を検討したか
すべてを一度に整える必要はありません。優先順位は、事故に直結する「床の水濡れ」対策、次に毎日発生する「傘の運用」、そして「来客対応」の順です。
まとめ|梅雨の問題は「予測できて、備えられる」
梅雨にオフィスで起きる問題は、床の水濡れ、傘の放置・紛失、来客動線の乱れ、湿気、従業員の不快の5つに整理できます。いずれも突発的なトラブルではなく、毎年同じ時期に、同じ場所で起きる「予測できる」問題です。
予測できるということは、備えられるということです。マットの長さを見直す、放置傘のルールを決める、貸し傘を用意する——どれも大きな投資は要りません。梅雨入りしてから慌てるのではなく、5月のうちに一つずつ整えておきましょう。
従業員の傘の備えを見直すなら
傘のシェアリングサービス「アイカサ」は、オフィスに傘立てを設置し、従業員がアプリで借りられる法人向けサービスを提供しています。従業員は無料で使い放題、借りた傘は駅やコンビニでも返却でき、来客への貸し出しにも使えます。梅雨前の導入をご検討の方は、資料をご請求ください。
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